地域の大学において卓越した研究を実施している研究者を中核とし、企業化に向けて研究を高度化・加速化できる関連分野の卓越研究者を大学に招聘、組織化し、研究開発を加速化するとともに、産学官連携によって企業化に導くことにより、地域イノベーションの創出、活性化を図る。
これまで山形大学で進めてきた最先端の有機EL技術をコアテクノロジーとして、有機太陽電池分野、有機トランジスタ分野の卓越研究者を国内外より招聘し、また海外のノーベル賞級の研究者との連携も進め、有機エレクトロニクス分野全体をカバーし、材料開発からデバイス開発、さらにプロセス開発までをシームレスに展開できる国際的な有機エレクトロニクス研究拠点の形成を目指す。
有機EL照明は、一般照明である蛍光灯を将来代替する高効率の次世代照明として、急速に進化しつつある中で、日本が先駆けて開発し、現在の最先端を走っている技術である。企業からのサンプル出荷が始まっており、数年以内には次世代照明として製品化されて国際的な競争が始まろうとしている。そこで、照明業界での日本の国際的な地位向上のため、製品を規定する国際標準を世界に先駆けて実施する。
有機EL材料の製造プロセスや実装時の状態も含めた評価手法を開発し、様々なプロセスに適用可能で有機エレクトロニクスに共通的な評価基盤技術を開発する。次世代化学材料評価技術研究組合、九州大、九州先端科学技術研究所との共同実施で、山形大学は標準として期待されるマルチフォトン構造について、デバイス性能を左右する要因抽出とその評価項目の選定を行う。
ナノ加工技術を基盤としたスマート有機デバイス研究拠点は高性能有機デバイスの研究開発、特に、ナノ加工技術を駆使した光制御による高効率照明・ディスプレイにむけた有機ELデバイスの開発に関する課題解決に焦点を絞って研究を実施する。有機ELデバイスは、次世代の省エネルギー照明・ディスプレイの開発に欠かせませんが、その実用化には高効率デバイスを大面積で作成する技術が必須です。本拠点では、低炭素社会に貢献する有機ELデバイスの実用化の加速を目指す。
白熱電球や蛍光灯を代替する高効率・長寿命な白色有機EL照明の開発を目的とする。そのために、印刷・塗工可能な高効率リン光材料群の開発、高効率・長寿命化を支える印刷・塗工プロセスに適したホール及び電子輸送材料やホスト材料の開発、多積層マルチフォトン構造を可能とする材料不溶化技術や溶解性制御技術、大面積薄膜印刷・塗工プロセスの高精度化や高速化技術の開発を実施し、ロールツーロール印刷・塗工プロセスの可能性検証も行う。また、超バリアフィルム基板の検討も実施する。
今後、白熱電球や蛍光灯をエネルギー効率の高いLED、有機ELを用いた次世代照明に置き換えることによる省エネルギー化が期待されています。次世代照明の普及を大きく加速させるためには、寿命・発光効率・演色性の観点で高効率・高品質な性能に加えて、材料、並びに製造プロセスのコストを低減させる必要があり、その実現のための基盤的な研究技術開発を行う。 本プロジェクトでは、高効率化、高品質化を図る光取り出し技術、封止技術等の技術開発、並びに低コスト化を図るプロセス制御技術、薄膜形成技術等の技術開発、有機ELを構成する基板・電極・有機層等の技術開発を実施する。
大幅な省エネルギー効果を発揮する革新的な技術の開発により、世界全体の温室効果ガス排出量を現状に比べて2050年までに半減するという「Cool Earth-エネルギー革新技術開発計画」に貢献することを目的に実施する。 照明用有機ELパネルの量産実証試験、有機EL照明標準化のためのパネル規格に関するデータ取得およびパネル評価方法の提案、発光効率改善活動を実施し、有機EL照明の量産に向けた実証試験を行う。これにより、有機EL照明の量産時の量産装置のあり方、製造プロセスの検証、かつ有機EL照明の普及のための適した評価方法・測光基準の提案を行い、さらに、より大きな省エネルギー効果を獲得すべく発光効率改善活動を実施し、省エネルギー照明用光源として有機EL照明の確立を目指す。