壁紙のように薄く超大型のテレビ、天井一面の照明ーー。有機ELが切り開く近未来の姿だ。山形大学では基礎研究にとどまらず実用化までを視野に、前のめりの研究が進む。けん引するのが教授の城戸淳二。実家は大阪府東大阪市の町工場。腕にはアップルウォッチ。技術もわかる、経営もわかる、関西弁で笑いをとることも忘れない。話芸の点でも卓越した教授だ。。。城戸はこうくぎを刺す。「日本が生き残るには先手先手で技術開発し続けるしかない。有機ELを量産したところで、最終的には中国にもっていかれる。アップル、グーグルのように有機EL単体ではなく、システムとして売るビジネスの構築が必須だ」。
日本経済新聞 地域経済 2ページ 6月8日(水曜日)