山形大学はフィルム上に印刷し、低コストで高性能な半導体回路をつくる事業を展開するベンチャーを設立した。ヘルスケア向けに体に貼ったり衣服に装着したりして心拍数などを常時計測できる生体センサーや、物流向けの食品鮮度モニターなどを試作し、販売する。
社名は「フューチャーインク」。食品ラップより薄いフィルム上に世界最薄の回路をつくることに成功している時任静士教授らのグループが、資本金1000万円で設立した。
印刷による回路形成は低温でも可能で、紙やフィルム上につくれるため曲げられるほか、従来のガラス基板に比べ費用は約1割で済むと期待されている。
時任教授らはすでに企業約20社と共同研究を進めており、必要な銀ナノ粒子インクの開発や印刷技術にめどをつけた。今後、インク供給のほか、新聞紙大の大面積シート型センサーなどの市場開拓を進める。
日本経済新聞(東北版) 5月18日 水曜日
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